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循環器内科は、心臓や血管に関わる診療科です。
主に扱う症状としては、息切れ、動悸、胸痛、むくみ、失神などになります。
市中病院と大学病院で勤務していた経験を活かし、心不全や不整脈の外来管理のみならず専門的な治療のご提案もおこなっております。
症状でお困りの際は気兼ねなくご相談ください。

心不全

息切れ、むくみ、体重増加

心不全では "何らかの原因" により、心臓の機能や構造に問題が生じ、息切れやむくみや体重増加といった症状を引き起こします。
"何らかの原因" を特定し、原因にあった治療をおこなうことが非常に重要です。心臓の筋肉の栄養不足(虚血)、不整脈、構造異常など原因は多岐にわたります。
高齢になると心不全は発症しやすくなり、社会の高齢化に伴い、心不全を発症する方は非常に増えています。
以前と比べて、駅までの歩行や坂道・階段で息切れがしやすくなったり、むくみや体重増加などが出てきた場合には受診をご検討ください。

不整脈

動悸、脈が飛ぶ・乱れる、めまい、失神

不整脈には大きく分けて、脈が速くなる「頻脈」と遅くなる「徐脈」があります。また脈が不規則になるもののうち期外収縮という不整脈もあります。
不整脈は非常に不快な症状を伴うだけではなく、血液の循環が悪くなることで失神してしまったり、心不全に至ることもあります。脳梗塞や命に係わる不整脈などもあります。
不整脈の治療は内服薬以外にも、手術(外科手術、アブレーションやペースメーカーなど)も選択されます。
動悸やめまいなどの症状は見逃さずに、受診をご検討ください。

▶ 心房細動

心臓の中の心房といわれる部位が十分な収縮をせず、けいれんするように細かく震えることで脈が不規則になります。動悸や不快感として自覚する場合もあれば、症状がない場合もあります。加齢に伴い心房細動は発症しやすくなりますが、肥満やストレスなどの生活習慣などによっても発症のリスクは高まり、日本では100万人の患者さんがいるといわれている決して珍しくはない疾患になります。症状以外に困ることとしては、心房細動が持続することで、心不全や脳梗塞を発症するリスクが高まることが知られています。薬やアブレーション治療により不整脈の根治を目指したり、リスクによっては脳梗塞予防として血液がサラサラになる薬を飲むこともあります。

▶ 徐脈性不整脈

脈がゆっくりになる不整脈の総称になります。心臓は全身に血液を送る役割を担っているので、脈がゆっくりになるとそれが不十分になり、心不全による息切れやむくみ、倦怠感などを認めます。心臓の筋肉に問題がある場合や、薬や電解質(カリウムなど)の影響の場合もありますが、不可逆的な問題である場合も多いため、その場合にはペースメーカーの手術を検討します。

▶ 期外収縮

心臓は一定のリズムで拍動をしていますが、時々期外収縮という予定外の拍動が見られます。健康な人でもストレスや疲れなどで起きる不整脈ですので、必ずしも治療が必要な不整脈とは言えません。ただし、期外収縮による動悸や不快感などの症状がある場合や、期外収縮が起こるような心臓の問題があったり、期外収縮が危ない不整脈に移行しうるような状態である場合には治療が検討されます。内服薬やアブレーション治療による介入を検討します。

▷ カテーテル アブレーション治療

不整脈は、異常な電気回路や一部からの異常な電気興奮によって生じますが、その異常な電気活動に対して、カテーテルを用いて焼灼や冷凍凝固等を行い、不整脈の根治を目指す治療になります。専門の病院での治療になりますので、必要に応じて適切なタイミングで治療可能な病院へとご紹介いたします。

狭心症・心筋梗塞

胸が痛い、胸が圧迫される・締め付けられる

狭心症や心筋梗塞は、心臓の筋肉を栄養する血管(冠動脈)の病気です。その血管が狭くなることで筋肉に行く酸素が少なくなり、胸が苦しくなります。症状としては圧迫感や締め付けられるような痛みが特徴的です。
冠動脈が狭くなる病態は狭心症であり、冠動脈が閉塞する病態は心筋梗塞といいます。
緊急性の有無を判断し、検査や治療(必要に応じて手術を行う医療機関へのご紹介)を検討します。

▶ 労作性狭心症

動脈硬化は生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)や喫煙、年齢などにより進行しますが、動脈硬化により冠動脈が狭窄すると、坂道や階段を上った時や、運動した時(労作時)などに狭心症の症状が出ます。当院で行うことができる検査に加え、他院での画像検査(冠動脈CT検査や冠動脈造影検査)を適切なタイミングで行い、治療へとつないでいきます。

▶ 冠攣縮性狭心症

冠動脈自体は動脈硬化による狭窄は認めないものの、冠動脈が痙攣することで一時的に狭窄し、狭心症の症状を呈する疾患です。喫煙や飲酒、ストレス、一部動脈硬化などが発症に関与するといわれており、夜間や早朝の安静時に症状を認めます。内服での治療や生活習慣の是正が重要な疾患になります。

▶ 心筋梗塞

冠動脈が閉塞している状態です。閉塞後は時間経過とともに心臓の筋肉が壊死していくため、迅速な対応(病院への搬送)が必要になります。当院では胸痛患者さんの診察を最優先させていただきます。

心臓弁膜症

息切れ、むくみ、胸痛

心臓は大きく4つの部屋に分かれており、部屋を通る血流の逆流を防ぐための弁が存在しています。加齢や感染、また心筋梗塞を含む心筋の異常などによって弁が狭窄したり、うまく閉じなくなることで血流の逆流が起きます。これらを総称して心臓弁膜症、と呼んでいます。心臓弁膜症の程度にもよりますが、心不全や不整脈、突然死などの原因となる疾患です。当院では心臓超音波検査による診断と慎重な経過観察をおこない、治療適応のタイミングをみてカテーテル治療や外科治療のために病院へと紹介いたします。

肺血栓塞栓症

息切れ、むくみ

血液は心臓から出た後、全身へ酸素を受け渡した後に、再度心臓に戻ってきます。その後肺へ行き酸素の補充に行くわけですが、その心臓から肺へ行く血管で血の塊(血栓)が詰まってしまうことがあり、肺血栓塞栓症といいます。足の血流が悪くなり、足にできた血栓が血流にのり肺血管に詰まることが多いとされます。飛行機や車での長距離移動であったり、座り仕事で足を長時間動かさないと発症する事があります。また低用量ピルなどの薬剤が発症に関わることも知られています。息切れや足のむくみなどが重要な症状となります。

閉塞性動脈硬化症

足の冷感・しびれ、歩行時の痛み

閉塞性動脈硬化症は下肢(太ももから下の足)の血管が狭窄・閉塞することにより、下肢に症状を認めます。
生活習慣病などによる動脈硬化が原因であり、その程度により「冷感・しびれ」→「間欠性跛行(歩くと痛い)」→「安静時痛(歩かなくても痛い)」→「潰瘍・壊死(組織が壊れてしまう)」のような症状を認めます。
内服での治療や、その程度に応じてカテーテル治療や外科治療を行います。

閉塞性動脈硬化症と脊柱管狭窄症について

歩行により足に痛みやしびれが出て、休むと改善するという歩行の状態のことを「間欠性跛行」といいます。閉塞性動脈硬化症と脊柱管狭窄症では間欠性跛行を認め、症状は似ている点もありますが、治療法が異なるため正確な診断が重要となります。当院では循環器内科と整形外科の両面から正確な診断をおこなうようにしています。

以下に重要な点を記載します。

▶ 閉塞性動脈硬化症

足や膝裏の動脈の拍動を確認します。

足の片側だけに症状があることが多く、ふくらはぎより下に症状が現れることが多く、血流の低下により冷え性の方もいます。

▶ 脊柱管狭窄症

両方の足に症状が出ることが多く、お尻から足全体に症状が広く現れる傾向があります。

腰に負担がかかっているかどうかで症状が軽快したり悪くなったりするため、前屈みで改善されたり、立っているだけ(歩かない状態)でも症状が出現することが多いです。