調布駅2分の調布そわ内科・整形外科で内科外来を担当しております、曽和裕之です。
今回は、外来でもご相談の多い「糖尿病」についてお話しします。
糖尿病は、日本で約1,000万人以上の方が抱えているとされる国民病です。しかし、その約半数は、自分が糖尿病であることに気づいていないともいわれています。
なぜでしょうか。それは、糖尿病の初期にはほとんど症状がないためです。
症状がないまま数年が経過し、気づいたときには合併症が進行していた、というケースも少なくありません。だからこそ、糖尿病は早期発見・早期治療が非常に重要な病気といえます。
こんな症状はありませんか?
糖尿病が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。これらの症状に心当たりがある方は、早めの受診をおすすめします。
≪典型的な症状≫
- のどが異常に渇く(いつも水やお茶を飲みたくなる)
- トイレが近い、尿の回数が増えた
- 疲れやすい、だるい(十分に寝ているのに疲れが取れない)
- 体重が減った(食事量が変わらないのに痩せてきた)
- 目がかすむ、視力が落ちた
- 傷が治りにくい
- 手足のしびれ
- 皮膚のかゆみ(特に陰部のかゆみ)
- 口の中が渇く、口内炎ができやすい
研究によると、新たに糖尿病と診断された方の約89%が、これらの症状のうち1つ以上を経験していたと報告されています。特に、のどの渇き、頻尿、体重減少、疲労感、視力の変化は、高血糖と関連していることが知られています。

≪症状がなくても要注意≫
ただし、症状がないからと言って安心はできません。2型糖尿病では、診断時に自覚症状がない方も多くいらっしゃいます。症状が現れる頃には、すでに数年間にわたって高血糖の状態が続いていることも少なくありません。だからこそ、定期的な健康診断や早めの検査が重要です。
糖尿病を放置すると、どうなるのか?
糖尿病を治療せずに放置すると、全身に様々な合併症が起こります。
▶ 眼の合併症
- 糖尿病は、成人の失明原因の上位を占めています
- 糖尿病患者さんの5-10%が視力障害や失明を経験します
- 早期に発見して治療すれば、失明を防ぐことができます
▶ 腎臓の合併症
- 糖尿病患者さんの20-40%が腎臓病を発症します
- 進行すると、人工透析が必要になることがあります
- 糖尿病は、透析が必要になる原因の第1位です
▶ 神経の合併症
- 手足のしびれや痛み
- 足の感覚が鈍くなり、傷に気づかず、足の潰瘍や壊疽につながることがあります
- 重症の場合、足の切断が必要になることもあります
▶ 心臓・血管の合併症
- 心筋梗塞や狭心症のリスクが2-4倍に増加します
- 脳卒中のリスクも大幅に上がります
- 糖尿病患者さんの死因の多くは、心臓病や脳卒中です
▶ その他の合併症
- 歯周病
- 認知機能の低下
- がんのリスク増加
これらの合併症は、生活の質を大きく低下させ、寿命を縮めます。しかし、早期に発見して適切に治療すれば、これらの合併症の多くは予防できます。
糖尿病のリスク因子
以下の項目に当てはまる方は、糖尿病のリスクが高いと言われています。
- 甘いものをよく摂取している
- 脂っこいものが好き、野菜をあまり食べない
- 肥満、または体重が増えた
- 運動不足
- 睡眠不足
- 喫煙している
- ストレスを抱えている
- 家族に糖尿病の人がいる
- 高血圧症や脂質異常症がある
- 過去に妊娠糖尿病といわれたことがある
これらの当てはまる項目が多いほど、糖尿病のリスクは高くなります。
早期発見・早期治療のメリット
糖尿病は、早く見つけて早く治療を始めるほど、良い結果が得られます。
① 合併症を予防できる
研究によると、糖尿病を診断された早期から血糖値をしっかりとコントロールすることで、以下のような効果があることがわかっています。
- 死亡リスクが 11-36% 減少
- 心筋梗塞のリスクが 15-39% 減少
- 眼や腎臓などの合併症が 26% 減少
しかも、この効果は治療を始めてから20年以上も続くことが証明されています。つまり、早く治療を始めれば始めるほど、長期的な健康を守ることができるのです。
② 薬を使わずに改善できる可能性
早期に発見できれば、食事や運動などの生活習慣の改善だけで血糖値をコントロールできることもあります。進行してからでは、複数の薬が必要になったり、インスリン注射が必要になったりすることもあります。
③ 医療費の負担が少ない
合併症が進んでから治療を始めると、透析や手術など、高額な医療費がかかります。早期に治療を始めれば、医療費の負担も抑えられます。
④ 生活の質を保てる
合併症による失明、透析、足の切断などは、日常生活に大きな影響を与えます。早期治療により、これらを予防し、健康で活動的な生活を続けることができます。
当院でできること
当院では、健康診断をきっかけとした糖尿病の早期発見から治療まで、総合的にサポートしています。
- 検査は、血液検査で簡単に行うことができます(HbA1c、空腹時血糖)
- 合併症の有無の評価に関しては、血液検査や身体所見の他に、眼科の受診も案内しています(当院の上の階に眼科がございます)
- 食事・運動療法についてわかりやすく説明しています
- 治療に関しては、患者さんの背景に合わせて、低血糖リスクにも注意しながら薬剤の選択をしていきます
- 薬剤選択の際には心保護や腎保護の観点も大切にしています
今すぐ行動を
以下に当てはまる方は、ぜひ早めにご相談ください:
- 上記の症状がある方
- 健康診断で血糖値の異常を指摘された方
- 糖尿病のリスク因子が複数ある方
- 家族に糖尿病の方がいて心配な方
- 最近、健康診断を受けていない方
繰り返しになりますが、糖尿病は、早期発見・早期治療が何より大切です。
症状がなくても、リスクがある方は定期的な検査をお勧めします。検査は簡単で、結果もすぐにわかります。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、病気は静かに進行しています。あなたの健康を守るために、今日から一歩を踏み出しましょう。
当院では、患者さん一人ひとりに寄り添い、わかりやすい説明と丁寧な治療を心がけています。糖尿病のことで少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。








